映画「愛と法」感想。現代日本に生きる難しさと輝き、そして愛。

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9月22日(土)、映画「愛と法」を観てきました。

公式サイトはこちら。↓

目立ちたがりのカズとしっかり者のフミ。家族になった二人の弁護士と“自分らしさ”のためにたたかう人々を描いた傑作ドキュメンタリー映画!9月下旬より〔東京渋谷〕ユーロスペース、〔大阪〕シネ・リーブル梅田ほかほか全国順次ロードショー

実に興味深く面白かった。
心に重く深く沈み、ずっと忘れずにいました。

今まで感想を書けなかったのは、ひとえに、頭の中で言葉にまとめようとするたびに混乱が生じていたためです。
今回、ようやくここに書けます。
つたない感想ですが、よろしければ読んでいただけると幸いです。

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「フツーでない」普通な人々の当たり前と、世間とのずれ。

映画「愛と法」はドキュメンタリー映画です。

ここには、一見「フツーでない」人たちがたくさん出てきます。
メインで出演されている弁護士の南和行さん・吉田昌史さんはゲイのご夫夫(ふうふ)ですし、お二人に弁護を依頼する方々は一癖も二癖もあり、一見すると「フツーでない」ように見える。

でも私から見たら、ものすごく普通の、全うに生きている方々でした。

ここで「普通」というのは、「常識的な」という意味ではなく、「ごく当たり前の」「普遍的な」という意味です。
何が「当たり前」かというと、「自分の心の赴くままに、もしくは自分に素直に生きている」という意味で。
生きながら働いて、食べて、創作する方々が登場します。

でも、その方々にとっての「当たり前」は、世間一般の常識から見ると当たり前じゃなかった。
ここで問題が生じてきてしまうのです。

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世の中は難しい。でも、生きていきたい。

この映画を観ながら、「自分に素直に生きることがこれほど難しいとは……」と心中うなっていました。
何というか、「現代日本はここまで、出る杭は打たれたり、思うような創作活動ができなかったりする社会だったのか?」と、現実の重さに乗っかられて、自分の体が沈んでいくような感覚でした。

というのも、私自身が非定型うつ病を患いながら、それでも楽しく生きたいと日々もがいている人間だからです。
当たり前のように働きたいし、当たり前のように遊びたい。
でも、さまざまな理由でそれがなかなかかなわない。
そんな悔しさやもどかしさを知っているからです。

具体的に言うと、金銭的に余裕があまりありません。
このブログをご覧になって、余裕があるように見える方もいらっしゃるかもしれませんが、実はけっこうカツカツで生きています。
しかし世の中、保険の商品などを見てみると、うつ病患者に全く優しくないんですよね……
うつ病など精神疾患を患っていても入れる医療保険もあるにはありますが、保険料が高い。
そんなの正直、払えません。
毎月の医療費に加え、高額な保険料なんて払えない。
保険の広告を見るたびに、「病人にはまともに生きる価値がないってことか!」と、悲しみとも怒りともつかない感情がわき上がってきます。

とは言え、CO・OP共済の簡易的な医療保険には入れました。

ケガや病気、災害など組合員のくらしの「もしも」を保障する生協の共済です。コープ共済は「自分の掛け金が誰かの役に立つ」という組合員同士の助け合いの心を形にしています。

少額で損害賠償保険も付けられますので、まさに「いざというときのための保険」として、けっこうおすすめです。

話がずれました。
まあそんな感じで、私のような(半)病人に対しても、世の中の制度は優しくありません。
しかし映画「愛と法」には、想像を超えてはるかに生きにくい方々がいました。
さまざまな事情により、戸籍を持てない方々です。

お恥ずかしいことに私、この映画を観るまで、戸籍を持てないとこれほどまでに何もかもが制限されるということを知りませんでした。
でも確かに、戸籍がないと運転免許も取れないし、パスポートも取得できないし、住民票も発行されない……
圧倒的な不自由さが、そこにはありました。

正直なところ、私は恵まれている方だと思いました。
嫌な言い方ですが……
でも、公的な書類を提出するときに困ることはありませんし、どこにでも行こうと思えば行ける。
やろうと思えば、(気力体力に余裕があれば)何でもできます。
それが、戸籍(という、実質的には紙切れ一枚)がないとできないという事実。
そんなことがあっていいのか……ただただ、呆然としました。

映画の中で、最終的に戸籍を持つことができた方が出てきます。
本当に、心の底からうれしそうだった。
笑顔が輝いていました。
それが一番、印象的でした。

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法は厳しいが愛はある。

この映画を最後まで観て、結果的には解決されないこともたくさんありましたが、救いがないわけではありません。
それは、南さんと吉田さんの愛情がとても温かいから。

お二人の間に流れる愛情、周りに対する愛情。
すごくあったかい、優しい愛情がスクリーンから流れてきました。
それがこの映画を彩る温かさの一つでもあると思います。

何でしょうね、生きていくのは厳しくつらいときも多いけれど、それでも愛情があれば生きていける気がしました。

私も現在、夫のトーノ君という最愛のパートナーとともに暮らし、人生を歩んでいます。
お金に余裕はなくても、愛情はたっぷりある。
誰よりも大好きなトーノ君と毎日、たわいないことで笑い合えたり、励まし合ったり慰め合ったりハグしたりできる。
それが何より幸せです。

「愛と法」を観ていると、南さん吉田さんご夫夫(ふうふ)も、私たち夫婦も、日常的にしていることや言っていることが何ら変わらないということに気づきました。
「最愛のパートナーに性別は関係ないんだなあ……」と感じ入った次第です。
そういうごく「普通」の、愛情あふれるカップルの姿を垣間見られて、「私たちもこれでいいのだ」と、なんだか安心できたのでした。

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余談ながら、後日談(?)があります。

ここからしばらく、映画とは直接関係ないので、興味のない方はすっ飛ばしていただいて大丈夫です(^^;)

実はこの映画を観た次の日、メンタルが急降下して、朝からベッドの中で泣いていたんです。
今思えばおそらく、映画を観たことで頭の中が刺激され、いろいろな考えが巡り過ぎて、混乱して、つらかったのではないかと。
「悪い映画じゃなかったんだけどな……何でだろうな……」とひたすらメソメソ。
今までの経験から、メソメソしていてもつらさがずっと続くわけではないと知っていましたが、それにしても渦中はつらい。

そんな折、偶然母から電話がありました。
私の泣き声を聞いた母が実家に半ば強制的に連行し(苦笑)、1日実家で過ごすことに。
そんな中母からある相談を受け、私にとっては得意分野だったため軽々とアドバイスならびに事務手続きを取ったところ、「それを仕事にしたらいいんじゃない?」というようなことを言われ。
そこから「そうか、仕事を請けおうだけでなく、自ら仕事を立ち上げるという生き方もあるのか!」と開眼した。

これも今思えば不思議なのですが、なぜそもそも母からの電話に出ようと思ったのか。
普段だと、特に疲れているときには絶対、電話には出ないのですが。
声を聞きたかったのかなあ……
何はともあれ、この電話に出なければ、新たな気づきに開眼することもありませんでした。
そもそも、「愛と法」を観なければ泣くほど考え込むこともおそらくありませんでした。
「愛と法」のおかげで、人生の新たな道が開けたようなものです。
本当に感謝していますし、偶然ってつくづく不思議なものです。

そんな流れで実は今、さまざまな本を読みながら起業の勉強もしています。
実際のところどうなるかは、やってみないと分かりません。
でも、今は失うものがほとんどないため(企業に就職しているわけでもなく、大金を持っているわけでもなく、地位もなく、家事こそしていますが子育てはしていない)、不安ばかりが募るわけでもなく。
事業計画やらのプランニングはみっちりとしておかなければなりませんが、「やればできる」と自分を信じています。
(これはほぼ直感ですね……日頃から直感を信じて行動することが多いのですが、悪い方に外れるときの方が少ない)
「やってみればいいのではないか」と、信頼する周りの方々からも背中を押してもらえています。
今勉強のために読んでいる本たちについては、また後日記事に書こうと思っています。

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最後に。観に行って良かったです、本当に。

地理的に少し離れた大阪での上映ということもあり(大阪は歩くと迷子になってしまうことが多い……)、上映初日に行くかどうかものすごく迷ったのですが、行って良かったです。
おそらく今までの自分では知り得なかった、現在の日本の想像以上の生きづらさとともに、それでも生きるという輝きをも感じ取ることができました。

ただですね。
「愛と法」は日本語上映の映画ですが、英語の字幕もあり、両方を同時に読み取ろうとしたためか頭が混乱しまして……
終映後、頭痛に悩まされました(^^;)

英語の字幕が付いているのは、さまざまな立場の方に観ていただけるという観点から見て、もちろん素晴らしいことだと思います。

個人的には、「DVDになれば英語の字幕は外せるかな」と勝手に期待しています(笑)
実際、もう一度でも何度でも観てみたい、そんな映画でしたので、DVDが発売されたらまた観るのではないかと思っています。

最後になりましたが。
上質な問題提起をしてくださった、戸田ひかる監督。
出演された南さん・吉田さん始め、たくさんの、今を一生懸命生きている方々。
スタッフの皆様。
本当に、ありがとうございました。

ではでは!(^^)/

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